沖縄県浦添市の特定社会保険労務士、特定行政書士、1級FP松本@officegsrです。
いまだに猛威を振るう新型コロナウイルス感染症。
2022年1月現在第6波が全国を襲っています。
まん延防止等重点措置が適用され、学校が休校を余儀なくされている地域もあります。
学校が休校となると、保護者も仕事を休まざるを得ません。
一般的には年次有給休暇で対応できると良いのですが、有給の日数が残り少ないあるいは、行政の要請による休校なのに本来労働者のリフレッシュのための有給を消化するのはなんだか・・・というとろこですよね。
そこで活用を検討したいのが、「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」です。
一度は終了するかと思われた本助成金ですが、コロナの影響が終わりが見えないこともあって、
令和4年3月31日まで
休暇取得期間が延長しました。
そこで今回改めてこの助成金の概要や支給要件申請方法について説明したいと思います。
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金 の利用を検討している事業主の方は必見です。
この記事でわかること
- 助成金の概要
- 助成金の支給要件
- 助成金緒申請方法
(この記事は2022年1月現在の情報に基づいて執筆しています)
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金について
小学校休業等対応助成金の概要
小学校休業等対応助成金は
令和3年8月1日から令和4年3月31日までの間
に
- 新型コロナウイルス感染症に関する対応として、ガイドラインなどに基づき、臨時休業などをした小学校など(保育所等を含みます)に通う子ども
- 新型コロナウイルスに感染した子どもなどで小学校などを休む必要がある子ども
を家庭でお世話する必要があって、その労働者に特別の有休(労基法の有休ではだめ)を取得させた会社に対して助成金を支給するものです。
会社は、この助成金を活用して有給の特別休暇制度を整備します。
労基法の有休の残っている残っていないに関わらず、特別休暇を労働者が利用できるようにするのです。
この助成金を活用することで、学校休業により子どもの世話が必要な保護者が希望に応じて有給の休暇を取得できる環境を整えることができます。
助成内容について
小学校休業等対応助成金の助成内容は
有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額×10/10
です。
具体的には、労働者1人につき、
対象労働者の日額換算賃金額×有給休暇の日数
で算出した合計額が支給されます。
日額の上限額が当初は13,500円でしたが、令和4年1月1日以降の休暇取得については、
- 上限額が令和4年1月~2月は11,000円
- 令和4年3月は9,000円
へ縮小されます。
ただしのただしで、申請の対象期間中に緊急事態宣言の対象区域またはまん延防止等重点措置を実施すべき区域であった地域に事業所がある企業は15,000円となると特例が設けられています。
気をつけたいのは、日額が16,000円の労働者がいたとした場合、助成金の上限が15,000円だから15,000円賃金を払えばいいというわけではないのです。
きちんと「通常の有給休暇と同じ日額の賃金」が支払われる必要があります。
休暇取得期間と申請期限について
休暇取得期間によって申請期限が異なりますので注意が必要です。
休暇取得期間 | 日額上限額 | 申請期限 |
令和3年8月1日~10月31日 | 13,500円 | 令和3年12月27日 |
令和3年11月1日~12月31日 | 13,500円 | 令和4年2月28日 |
令和4年1月1日~3月31日 | 令和4年1月~2月:11,000円 令和4年3月:9,000円 | 令和4年5月31日 |
ただし、やむを得ない理由があると認められる場合(以下Ⅰ又はⅡ)は、申請期限経過後に申請することが可能(令和4年6月30日まで)です。
<やむを得ない理由>
Ⅰ.労働者からの都道府県労働局『小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口』への「(企業に)この助成金を利用してもらいたい」等の相談に基づき、労働局が事業主への助成金活用の働きかけを行い、これを受けて事業主が申請を行う場合
Ⅱ.労働者が都道府県労働局『小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口』へ相談し、労働局から助言等を受けて、労働者自らが事業主に働きかけ、事業主が申請を行う場合
また、消印が申請期間内であっても、申請書類が申請先に到達した日が支給申請期間を過ぎていた場合、申請期限内に申請したとは認められません。
期限内必着です。
小学校休業等対応助成金の申請について
申請に必要な書類の曜五s期は厚生労働省のHPgから取得することができます。
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金について(厚生労働省HP)
具体的には、
- 支給申請書:様式1号①
- 支給申請書:様式1号②
- 有給休暇取得確認書:様式2号
- 休暇取得がわかる出勤簿、タイムカード、休暇簿の写しなど
- 賃金台帳、給与明細等の写し(有給休暇取得時の)
- 雇用契約書、労働条件通知書、勤務シフト表、就業規則等の写し
- 振込口座を確認できるもの(通帳のコピー等)※初回申請時のみ
- 労働保険関係成立届の事業主控え、概算保険料申告書等
- 対象労働者労働者の子にかかる小学校等からの臨時休業等のお知らせ
です。
小学校等等からの臨時休業のお知らせなどは家庭にあるものですから労働者自身が準備しないといけません。
また、申請書の様式が休暇取得期間によってそれぞれ別で定められておりますので、前回のものをそのまま使うと様式違いになってしまいますのでご注意ください。
厚生労働省のHPには、雇用保険に入っていない人のための新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金の支給要領もありますので併せてご確認ください。
雇用関係助成金は「支給要件」を満たしたうえで審査を通らないと受給できません。
支給要領問い合わせ窓口等へ要件を十分に確認して申請に臨んでください。
申請書の提出先は、
「都道府県労働局雇用環境・均等部(室)」です!
宛先間違いが多いようなので、十分注意してください(期限内必着ですから)。
まとめ
いかがでしたか。
「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」は、
休暇取得期間が令和4年3月31日まで
延長することになりました。
そしてその上限額は13,500円から9,000円へ縮小する予定ですが、緊急事態宣言またはまん延防止等重点措置が適用される区域は15,000円が上限となる特例があります。
申請書は厚生労働省HPより取得できます。
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金について(厚生労働省HP)
雇用関係助成金は支給要件を満たしたうえで審査に通らないと受給できませんので、支給要件をしっかりと確認してください。
特に間違いやすいのが「通常の有休を取得」ではなく特別に有給休暇を取得させることが必要です。
そして提出先は、
「都道府県労働局雇用環境・均等部(室)」
ですので、期限内に宛先を間違えないように提出してください。
まだまだ予断を許さない新型コロナウィルス感染症。
社員の雇用の維持やメンタルヘルスにも大きな影響を与えています。
コロナ禍の厳しい経営環境を乗り切るために、労務管理の専門家、社会保険労務士をぜひご活用ください。