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【新型コロナ助成金】雇用調整助成金の特例とは?

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【新型コロナ助成金】雇用調整助成金の特例とは?

こんにちは、沖縄の社会保険労務士松本です。

2020年3月28日雇用調整助成金の特例拡大が発表されました!

拡大以外の従前の内容については以下をご参照ください。

新型コロナウィルスが猛威を振るい、休業を余儀なくされる事業所が出てきています。

従業員を自宅待機などで休業させる場合、労働基準法第26条に基づいて平均賃金の100分の60以上の「休業手当」を支給しなければなりません。

そんなとき、利用できる可能性のある助成金が「雇用調整助成金」です。

今回は、従前からある「雇用調整助成金」に「新型コロナウィルスによる特例」が実施されることになりました。

従業員の休業を検討している事業主は必見です。

この記事でわかること

  • 雇用調整助成金の概要と今回新型コロナウィルスの特例についてわかる
  • 新型コロナウィルスのよる特例で緩和された助成金要件がわかる
  • 雇用調整助成金の特例の受給手続きには労使協定が必要になることがわかる
  • 残業相殺などその他注意すべき点があることがわかる
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雇用調整助成金とは?

雇用調整助成金とは?

まず本来の雇用調整助成金について

もともとから実施されている「雇用調整助成金」とは、以下の通り。

景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に助成される助成金

雇用調整助成金の受給要件

雇用調整助成金の原資は雇用保険料です。

そのため、この助成金を利用するためには、「雇用保険の適用事業主であること」が第一条件です。

次に、 売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること。

そして、雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外の場合は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと。

4点目は、実施する雇用調整が以下の一定の基準を満たすものであること。
【休業の場合】
労使間の協定により、所定労働日の全一日にわたって実施されるものであること。
【 教育訓練の場合】
休業の場合と同様の基準のほか、教育訓練の内容が、職業に関する知識・技能・技術の習得や向上を目的とするものであり、当該受講日において業務(本助成金の対象となる教育訓練を除く)に就かないものであること。
【出向の場合】
対象期間内に開始され、3か月以上1年以内に出向元事業所に復帰するものであること。

最後に、過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある事業主が新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して一年を超えていること、です。

雇用調整助成金の受給額

雇用調整助成金の受給額は、以下の通り。

雇用調整助成金の受給額
厚生労働省HPより引用

受給額は、休業を実施した場合、事業主が支払った休業手当負担額、教育訓練を実施した場合、賃金負担額の相当額に上記の(1)の助成率を乗じた額です。ただし教育訓練を行った場合は、これに(2)の額が加算されます。(ただし受給額の計算に当たっては、1人1日あたり8,330円を上限とするなど、いくつかの基準があります。)
 休業・教育訓練の場合、その初日から1年の間に最大100日分、3年の間に最大150日分受給できます。出向の場合は最長1年の出向期間中受給できます。

勘違いされる方も多いのですが、一律8,330円が助成されるのではありません

例えば休業手当の場合、平均賃金の6割相当額を休業手当として支給した場合、その6割の額の3分の2(大企業は2分の1)が助成されるというものです。3分の1は事業主の負担が出るということは理解が必要です。

中小企業と大企業の違いは以下の通りです。

違い
「雇用調整助成金ハンドブック」より引用

新型コロナウィルスによる雇用調整助成金の特例とは?

新型コロナウィルスによる雇用調整助成金の特例とは?

新型コロナウィルスによる雇用調整助成金の特例

雇用調整助成金は「不況、災害その他非常時の雇用維持の 助成金」 要件を満たさないと、助成金がでません。

しかし、今回のような急激に進む非常事態だと、その要件が緩和される場合があるのです。

今回の新型コロナウィルスの影響で、要件が緩和されて雇用調整助成金の申請を行うことが可能となりました。

特例で緩和された要件

1.新規学卒者も対象

従来の雇用調整助成金は、雇用保険被保険者として継続して雇用された期間が6か月以上が要件でしたが、今回の新型コロナ感染症の影響を受ける事業主の場合、 新規学卒採用者など、雇用保険被保険者として継続して雇用された期間が6か月未満の労働者についても助成対象とされます。

2.過去に雇用調整助成金を受給していてもOK

過去に雇用調整助成金を受給したことがある事業主について、

  • 前回の支給対象期間の満了日から1年を経過していなくても助成対象
  • 過去の受給日数にかかわらず、今回の特例の対象となった休業等の支給限度 日数までの受給を可能とします(支給限度日数から過去の受給日数を差し引かない)。

と緩和されています。

3.計画届の事後提出が可能(ただし5月31日まで!)

助成金の申請というのは基本的には「計画届」を先に提出することが先ですが、今回の新型コロナウィルスの特例では事後提出を可能としています。具体的には「令和2年1月24日以降の休業等計画届の事後提出が、令和2年5月31日まで」可能です。

4.生産指標の確認期間を3か月から1か月に短縮

従来の雇用調整助成金では、「休業等開始前最近3ヶ月の生産量などが 直前3ヶ月 又は 前年同月比 で10%以上減少していること」が要件でした。

しかし今回の新型コロナウィルスの特例では、最近1か月の販売量、売上高等の事業活動を示す指標(生産指標)が、前年同期に比べ10%以上減少していれば、生産指標の要件を満たすとしています。

生産指標の確認は、提出があった月の前月と対前年同月比で確認します。

5.1年未満の事業主でも可能

今回の新型コロナウィルスの特例では、事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象としています。

ただし、生産指標の確認は「提出があった月の前月」と「令和元年12月」と比べるので、12月実績は必要となりますのでご注意ください。

6.雇用量増加していてもOK

従来の雇用調整助成金では、雇用保険被保険者数および受け入れている派遣労働者の最 近3か月間の月平均値が、前年同期と比べ増えていないこと、が要件でした。

今回の新型コロナウィルスの特例では、最近3か月の雇用量が対前年比で増加していても助成対象としています。

新型コロナウイルス感染症の影響に伴う「経済上の理由 」

雇用調整助成金の支給の対象は「景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により」事業活動の縮小を余儀なくされた事業主 」です。

この「経営環境悪化の経済的理由」については、以下の例が挙げられています。

  • 取引先が新型コロナウイルス感染症の影響を受けて事業活動を縮小した結果、受注量が減ったために事業活動が 縮小してしまった
  • 労働者が感染症を発症し、自主的に事業所を閉鎖したことにより、事業活動が縮小した
  • 労働者が感染症を発症していないが、行政の要請を受けて事業所を閉鎖し、事業活動が縮小した場合
  • 小学校の休校により、大半の労働者が長期的に休暇を取得することにより、生産体制の維持等が困難になり営 業を中止した

このように、「新型コロナウィルスによる経営環境の悪化」であることが必要です。

新型コロナウィルスの特例の助成額

新型コロナウィルスの特例の助成額は以下の通りです。

新型コロナウィルスの特例の助成額
厚生労働省パンフレットより
  • 対象労働者1人1日当たり8,330円が上限であること(令和2年3月1日現在)
  • 助成額は、前年度の雇用保険の保険料の算定基礎となる賃金総額等から算定される平均賃金額に休業手当支払率を掛け、1日当たりの助成額単価を求めること
  • 支給限度日数は1年間で100日であること

が要チェックですね。

受給手続きについて

受給手続きについて

雇用調整助成金の特例の受給手続きについて

受給手続きは、事業主が指定した1年間の対象期間について、実際に休業を行う判定基礎期間ごとに計画届を提出することが必要です。

判定基礎期間とは、 計画や支給申請の単位となる期間で、賃金締め切り期間と同じ期間です。

事後提出する休業等については、1度にまとめて提出することが必要です。

事後提出しない休業等については、初回の計画届を、雇用調整を開始する日の2週間前をめど提出し、2回目以降については、雇用調整を開始する日の前日までに提出します。最大で3判定基礎期間分の手続きを同時に行うことが可能です。

事後提出しない休業等の場合の支給申請期間は判定基礎期間終了後、2か月以内となっています。

助成金支給までの流れについて

助成金支給までの流れは以下の2パターンです。

事前に計画届を提出して休業を実施するか、②休業実施して計画届を提出するパターンです。

助成金支給までの流れについて
厚生労働省パンフレットより

上記の流れを見て、計画届と休業等実施よりも先に行われていることがあります。

それは「労使協定」です。

事業縮小の必要性に迫られたら、休業の計画を立て労使で話し合って協定を締結し、それから計画届または休業等の実施、という流れになります。

労使協定で定める事項は?

労使協定で定める事項は、

  • 休業の実施予定時期、日数
  • 休業の時間数
  • 対象となる労働者の範囲及び人数
  • 休業手当の算定基準

です。

雇用調整助成金ハンドブックより引用

労使協定の例は「雇用調整助成金ガイドブック(簡易版)」(厚生労働省HP)に記入例が掲載されていますので参照してください。

沖縄労働局のトップページに雇用調整助成金の資料が掲載されています。

沖縄労働局
沖縄労働局トップページ

<外部リンク>沖縄労働局HP

その他注意が必要なこと

休業手当は平均賃金の100分の60以上

休業手当については、労働基準法第26条に定められています。

(休業手当)
第二十六条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。

e-Gov:労働基準法

そうです「平均賃金の60%以上」を支払う必要があります。

その平均賃金は原則「3か月の賃金総額÷その期間の総日数(暦日数)」で求めます。

「残業相殺」がある

「残業相殺」とは、休業の計画期間中に残業や休日出勤を行ってその残業代(割増賃金)が発生した場合、助成金からその残業代が引かれてしまう、というルールです。

「〔休業・教育訓練〕計画一覧表・実績一覧表及び所定外労働の実施状況に関する申出書」を計画・申請のときに提出するので、「内容が違う!」ということが無いよう、きちんと変更届を出すことが必要です。

労働局の調査を受け入れること

助成金の受給では、書類の整備、保管はもとより、労働局より書類の提出を求められた場合はちゃんと提出しなければいけませんし、労働局が実地調査を行う場合その調査を受け入れなければなりません。

休業がちゃんと行われているか、不正受給はしていないか、しっかり確認されます。

書類を出せば終わりではありません。

休業等の実施日数がある程度必要

判定基礎期間における対象労働者に係る休業等の実施日の延日数が、対象労働者に係る所定労働延日数の20分の1(大企業の場合は15分の1)以上となることが必要です。

例えば、被保険者数が30名で 所定労働日数が21日の場合、

所定労働延べ日数=30名×21日=630日

最低必要休業日数は630日の20分の1=31.5日

これを人数で割ると31.5日÷30名=1.05日

30名全員が休業するとなると一人1.05日以上すなわち「一人2日」は休業等が必要

なので、「一人1日だけ休んだらいいか」では済まない場合があるので、注意が必要です。

まとめ

まとめ

今回の記事を読んで、

  • 雇用調整助成金の概要と今回新型コロナウィルスの特例ができた
  • 新型コロナウィルスのよる特例で助成金要件が緩和された
  • 雇用調整助成金の特例の受給手続きには労使協定が必要になる
  • 残業相殺などその他注意すべき点がある

ことが理解いただけたかと思います。

雇用調整助成金は「もらえたらラッキー」という助成金ではなく、会社が本当に苦しいときに必要となる助成金です。

その他雇用関係助成金の共通支給要件等もありますので、まずは最寄りの労働局の助成金担当窓口へお問い合わせいただくことが、円滑な助成金受給の第一歩だと思います。

この苦しい時期を頑張って乗り越えましょう。

最後に。

助成金の申請には日ごろの労務管理を適正におこなうことが必要です。

今後も続く働き方改革の推進、助成金の申請代行を専門におこなうことができる「社会保険労務士」の資格に、今注目が集まっています。

私は通信教育を利用して働きながら社会保険労務士の勉強をし、合格することができました。

時代に左右されない独立開業できる資格として、社会保険労務士はおすすめです。

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