
沖縄県浦添市の社会保険労務士、行政書士松本です。
新型コロナウィルスによる全国一斉休校が始まって2週間が過ぎました。
都道府県によっては休校を解除したところもありますが、多くの学校は休校が続いています。
そんななか、新型コロナウィルスによる一斉休校で保護者が仕事を休んだ場合の助成金の受付が2020年3月18日より開始されました。
厚生労働省の発表をもとに、社労士の視点で申請の手続きの要点について解説します。
新型コロナウィルスによる一斉休校にともなう保護者への助成金について知りたい方は必見です。
厚生労働省助成金HP↓
小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設します (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_00002.html
なお、この助成金の概要については以前記事で説明しました。
助成金の概要について知りたい方は、下記リンクを参照してください。
なお、助成金というのは雇用保険を原資にしておりますので、フリーランスの方は助成金ではなく「支援金」という名目で支援が出ます。
「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金」については厚生労働省のHPに掲載されています。
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け) (厚生労働省HP)
【新型コロナ助成金】休校保障助成金の受付が開始されました

厚生労働省のリリースは以下の通り。
厚生労働省では、今般の新型コロナウイルス感染症に係る小学校等の臨時休業等により仕事を休まざるをえなくなった保護者の皆さんを支援するため、正規雇用・非正規雇用を問わない助成金制度(以下「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」という。)を創設するとともに、個人で業務委託契約等で仕事をされている方向けの新たな支援金制度(以下「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等支援金」という。)を創設することとしています。
厚生労働省HPより引用
本日から、この助成金及び支援金の申請受付を開始いたしましたので、お知らせいたします。
助成金及び支援金の具体的内容や申請手続については、別紙のリーフレット及び下記URLに掲載されている関係資料をご覧ください。
そして事業主向けのリーフレットが新しく出ております。
新型コロナウイルス感染症学校休業等助成金リーフレット(厚生労働省HPより)
申請期間は、
3月18日~6月30日
申請書の提出先は、
学校等休業助成金・支援金受付センター
となっています。
なんと、各都道府県の労働局ではなく各地方ごとにまとめられたセンターで郵送(配達記録が残るもの)の受付となっています。

ただし、雇用調整助成金も併せて支給申請を行う場合は、最寄りの労働局でも受け付けてくれます。
小学校休業等助成金に関する問い合わせ先は、
学校等休業助成金・支援金等相談コールセンター
電話:0120-60-3999
受付時間:9:00~21:00(土日・祝日含む)
です。
必要書類等について

必要書類については、
小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設しました
(厚生労働省HPより)
に詳しくのっています。

肝心なのは上記書類のすべての書類の写しが必要ということです。
支給要領には「必要書類について原本の写しを提出する場合に、厚生労働省雇用環境・均等局又は確認業務受託事業者の求めるところにより事業主による原本証明を付すこと」との記載がありますので、コピー提出の方法については提出の際よく確認しましょう。
そして、申請書の様式が、
- 雇用保険に入っている人
- 雇用保険に入っていない人
の2パターンにかれていますので、注意してください。
また助成金の申請においてよくあるのが、「出勤簿・タイムカードと賃金台帳が合わない」という問題。
労働条件通知書や労使協定はコピーを提出するだけですが(もちろ有効に成立していることも必要です)
出勤簿・タイムカードで有給休暇となっていても実際は欠勤扱いで支払われていない
場合は、申請書類の不備を指摘される可能性が大いにあります。
申請前に今一度出勤簿・タイムカード等と賃金台帳の確認を行いましょう。
今回の「小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金」は有給の休暇を取得した対象労働者に「支払った賃金相当額」が助成対象です。
私自身も「保管しているかな・・・」と思って心配になったのが、⑦の
- 小学校等が臨時休業等をしたことについて確認できる書類
です。
今週で修了式に入る学校もありますし、休校のままという学校もあると思います。
ただこの書類がない場合は「有給休暇取得確認書」を提出する方法で代用できます。
特別支援学校在籍で中学校以上の子の保護者の場合も追加の書類が必要です。
まとめ

今回の、 「小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金」 についてのまとめは以下の通り。
まずは厚生労働省の助成金HPで助成金の内容を確認する
小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設します
支給要件、申請手続きについては厚生労働省のHPで詳細を確認
小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設します
(新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金のご案内)
助成金の申請書類は、
- 雇用保険に入っている人
- 雇用保険に入っていない人
でわかれているので、要注意。
労働者が準備する書類もある
学校からのお知らせや特別支援学校の場合の労働者が準備する書類。
有給休暇を取得したうえで賃金を支払っていること
そして繰り返しになりますが、
対象労働者の有給休暇について、年次有給休暇の場合と同等の賃金が支払われたことが確認できる書類
の提出が必要ですので、
- 労働者が休んだ日をそのまま報告する
- 助成金を受給する
- その助成金を労働者に支給する
という助成金ではありません!
最初に事業主が払った有給休暇の賃金に対して助成金を支給する制度です。
タイムカード・出勤簿と 賃金台帳を突き合わせて支給漏れがないか要確認です。
想定外の危機へ対応するためには日ごろの労務管理が重要です。
最後に。
助成金の申請には日ごろの労務管理を適正におこなうことが必要です。
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