沖縄県浦添市の特定社会保険労務士・特定行政書士・1級FP松本です。
まだまだ猛威を振るう新型コロナウイルス感染症。
沖縄では県独自の緊急事態宣言を発令するなど、その影響と収束はまだ見通せません。
全国的にも影響が続いているので、政府は雇用調整助成金の特例期間等の延長をすることを発表しました。
今回はこの延長について記事にしております。
新型コロナウイルス感染症による雇用調整助成金の特例の利用を検討している方は必見です。
(この記事は2020年9月5日の情報をもとに書いています)
雇用調整助成金等の特例が延長されます
まず、雇用調整助成金等の延長9月末に期限を迎える雇用調整助成金の特例措置、緊急雇用安定助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金については、2020年12月末まで延長されます。
雇用調整助成金の特例措置等を延長します(厚生労働省HP)
気になるのはプレスリリースの以下の文面。
そのうえで、感染防止策と社会経済活動の両立が図られる中で、休業者数・失業者数が急増するなど雇用情勢が大きく悪化しない限り、雇用調整助成金の特例措置等は、段階的に縮減を行っていきます。
厚生労働省HPより引用
なんとなんと、「段階的に縮減していく」ということを明言したのです。
2020年9月2日時点の速報値を見ると、申請件数110万件、支給金額が1兆円を超えています。
7月、8月の休業についてはこれからでてくるので、このままいくと12月末には相当な件数と金額になることは間違いありません。
小学校休業等対応助成金の延長
新型コロナウイルス感染症に係る小学校等の臨時休業等により仕事を休まざるをえなくなった保護者支援のための新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金・新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金について、対象となる休暇取得の期限を2020年2月27日から12月末まで延長する予定とする、ことが発表されました。
これはまた、「延長する予定」というところ。
おそらく、学校の一斉休校というのが考えにくくなっているんでしょうね。
延長する予定を検討した結果現下の状況を鑑み終了なんて可能性もありますので、今後の情報に注目しましょう。
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金・支援金の対象期間の延長について
(厚生労働省HP)
休暇取得支援助成金(母性健康管理)の要件見直し
妊娠している女性であれば、新型コロナウイルス感染症の感染リスクは大変気になりますよね。
そこで利用できる休暇助成金が「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援助成金」
新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が、安心して休暇を取得して出産し、出産後も継続して活躍できる環境を整備するため、女性労働者のために有給の休暇制度を設けて取得させる事業主を支援する助成制度です。
本助成金の支給要件が2020年9月末までとなっていました。
今後、事業主が対象となる有給の休暇制度を整備し、労働者に周知する期限について、
2020年12月末まで延長する予定
ということが発表されました。
これもまた予定。
現時点では延長や支給要件の見直しが公表されたのみであり、今後の詳細情報の公表が待たれます。
「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援助成金」の支給要件の見直しについて(厚生労働省HP)
まとめ
いかがでしたか。
今回特例の延長が発表されたのが、
- 雇用調整助成金等の延長
- 小学校休業等対応助成金の対象期間の延長
- 休暇所得支援助成金(母性健康管理)の要件の見直し
でしたね。
ただ延長は延長でも「特例の内容がそのまま延長されるのか?」「延長はあくまで予定であって状況を見て打ち切り」ということも頭に入れておく必要があると思います。
特に休業しても10分の10、給与を100%支給というのは、
「働かなくても給料がもらえる」
という労働者の労働意欲を阻害する恐れもあり、あまりいい状況ではありません。
感染者の収束が見通せない中では政府も「特例を終了します」とは言えない状況でしょう。
しかし、現時点で支給金額が1兆円を超える状況は財政的にも厳しいものがあります。
事業主は今回の延長発表を聞いて「12月まで安心」と思わず、
特例内容の縮小がいつかはある
という意識をもって、今後の新型コロナウイルス感染症対応を検討したほうがよいと思います。