
沖縄県浦添市の社会保険労務士、行政書士松本です。
今日は意外と忘れられがちな「準確定申告」について、ご説明します。
確定申告を提出する義務がある人が亡くなられた場合、以下のそれぞれの場合に応じて一般の確定申告に準じた確定申告書を提出しなければなりません。
これを「準確定申告」と言います。
準確定申告が必要な場合とは?
年の途中で亡くなった場合
亡くなった方のその年の1月1日から死亡の日までの所得について、その相続人は相続の開始があったことを知った日(死亡の日)の翌日から4か月以内に、準確定申告書を死亡した人の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
確定申告の申告期限前に死亡した場合
その年分の所得税について確定申告書を提出すべき者が、その年の翌年1月1日から3月15日までの間にその申告書を提出しないで死亡した場合には、その相続人は死亡した人の確定申告書をその相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に死亡した人の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
事例で考えてみよう
平成31年2月10日に死亡した場合
①平成30年分については、6月10日までに提出しなければなりません。
②平成31年分については、1月1日から2月10日までの所得税について確定申告義務があるときは、準確定申告と同じく6月10日までに提出しなければなりません。
平成31年5月1日に死亡した場合
平成31年分について、1月1日から4月30日までの所得税について確定申告義務があるときは、その年の9月1日までに提出しなければなりません。
相続人が2人以上いる場合には?
相続人が2人以上いる場合には、各相続人は相続分によりあん分して計算した額を納付することになります。
「死亡した者の所得税の確定申告書付表」に各相続人が連署して添付する必要があります。この付表を添付しない場合には、各相続人がそれぞれ準確定申告書を提出しなければなりません。
指定相続分が確定していない場合は?
準確定申告の納付額は、法定相続分または遺言による指定相続分がある場合には、指定相続分によりあん分して計算した額となります。
その遺言について争いがあるため各相続人の指定相続分が確定していない場合には、法定相続分によりあん分した税額を各相続人が納付することになります。
うっかりしていると忘れてしまう・・・
個人事業や不動産所得がある方が亡くなった場合、取引先との調整や相続の問題で頭がいっぱいになり、準確定申告をうっかり忘れてしまうことがあります。
準確定申告は、相続人全員で行う確定申告です。ということは相続人全員の連署と押印が必要です。
亡くなられた方が青色申告会や商工会議所で記帳指導を受けていた場合や税理士に委託していた場合は、ぜひ相談してみましょう。
詳しくは国税庁ホームページで。