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相続|相続財産の種類と開始の時期について

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相続財産の種類と開始の時期
PHOTO BY 写真AC

こんにちは、1級FP技能士の松本@officegsrです。

今回は、

  • 相続の財産の種類
  • 相続の開始となる人の死亡
  • 同時死亡の推定

についてお話ししたいと思います

相続の初歩について知りたい方は必見です
(この記事は2023年1月現在の法令に基づいて記述しています)

動画も作成しているのでこちらもご覧ください。

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相続財産の種類

相続財産の種類

「相続」というのは、人の死亡により開始されます。

死亡する前に財産を移転することは「贈与」です。

まずこの違いを理解しておきましょう。

人が死亡すると、相続が開始され、亡くなった人のすべての財産の権利や義務は法律で定められた順番に従って引き継がれます。

この順番は「民法第5編」の相続編に規定されています。

ここで言う亡くなった人の全財産には、まず土地や建物、現金預金、株券債権などの有価証券、などの不動産や動産といったプラスの財産があります。

これを法律用語では「積極財産」と言います。

積極的にもらいたいから積極財産とイメージするとわかりやすいですね。

ただし、財産はもらってうれしいものだけではなく、プラスの財産以外の借金や各種ローンなどのいわゆる「債務」といったマイナスの財産も含まれます。

このマイナスの財産を法律用語では「消極財産」といいます。

もらうことに消極的になるから「消極財産」とイメージするとわかりやすいですね。

ただ、このマイナス財産も役に立つときがあるんです。

たとえば、相続税の計算をするときにはプラスの財産からマイナスの財産を引いた残りの財産の額を基に相続税を計算するので、プラスの財産だけだと相続税の負担が大きくなる場合があります

ただし、だからと言ってマイナスの財産が大きいというのも、借金だけが残る話ですからそのバランスが重要です。

また、亡くなった人だけに属していて他に移すことができない権利など、相続することに適さないものは相続財産の権利義務からは除かれています。

具体例としては、年金受給権などです。

「父が亡くなったからその年金受給権を息子の私に相続させろ」

ということはさすがにできないですよね。

相続の開始

相続の開始

普通失踪と特別失踪

相続は人の死亡によって開始します。

病気や事故でなくなる「死亡」はわかりやすいですね。

「死亡」にはもう一つ「失踪宣告」という法律上の死亡もあるんです。

これはある人が行方不明のまま、生きてるか死んでいるかわからない、という状態がある一定程度続いた場合です。

この失踪宣告の制度も民法で規定されています。

簡単に説明しますと、失踪宣告には「普通失踪」「特別失踪」がありまして、

  • 普通失踪は7年間行方不明でその生死が明らかでない場合
  • 特別失踪は戦争地域で生死が不明となったり船の沈没などで生死が明らかで無い場合は、その危難が去って1年間生死が明らかでない

というときに認められます。

失踪宣告の手続きは家庭裁判所に申立することが必要です。

なお、相続が開始される場所は、被相続人の住所地となっています。

一般的な死亡について見ていきましょう。

死亡診断書や事故死などの場合は検死にあたった医師の検案書、また、やむを得ない場合は、死亡を証明する書面を添付した死亡届により、その亡くなった方の戸籍に死亡の事実及びその日時が記載されます。

なお、戸籍法では、親族や同居者などの亡くなった人の関係人は死亡の事実を知った7日以内に市区町村役場に死亡届を提出しなければならない、と定められています。

同時死亡の推定

次に「同時死亡の推定」について説明します。

死亡した人が何人かいる場合、その中の1人が他の人の死亡後も生きていたどうかが不明の時は、同時に死亡したものとして推定されます。

例えば、祖父Aと息子B、孫CとBの妻Dがいた場合の例についてみてみます。

同時死亡の推定

祖父Aと息子Bが同じ飛行機事故で死亡してしまった場合、その死亡した時間の前後がわからないような場合は、同時に死亡したものと推定され、祖父Aと息子Bの間には相続は発生せず、代襲相続という制度によって、祖父Aの財産は孫Cが相続することになります。

同時死亡の推定スライド

何が違うかというと、もし祖父Aが先に死亡したことが確実なら、まず祖父Aの相続財産は息子Bが相続することになります。

そして祖父Aの次に息子Bが亡くなっているので、祖父Aの財産と息子Bの財産を孫Cと妻Dで相続することになるんです。

同時死亡の推定スライド

祖父Aが先に亡くなったことが確実にわかっていたら妻Dにも祖父Aの財産がわたる形になるのですが、同時死亡の推定により祖父Aと息子Bは同時に亡くなったので相続は発生しない、ゆえにその次の相続権利を持つ孫Cだけに祖父Aの相続財産が相続される。ということなるんですね。

この時孫Cと妻Dの仲が良かったらそんなに問題にならないと思いますが、仲が悪いときはもめそうですね。

一応法律では「推定」というのは「多分そうだろう」の意味として使われているので、死亡の順番がはっきりわかるような事実が明らかになった場合には、裁判などで相続財産の返還を求めることになります。

まとめ

まとめ

相続財産の種類には

  • 土地建物現金預金などのプラスの財産のほかに、借金、ローンなどのマイナスの財産がある
  • 年金受給権などの一身専属の権利は相続できない

そして相続の開始では、

  • 人の死亡によって開始する
  • 行方不明の場合には「失踪宣告」という制度がある

そして死亡の順番については、

  • 同時死亡の推定

という制度があることがおわかりいただけましたか。

同時死亡の推定の場合は相続の順番が変わってくるので、相続することができない人もでてくることになる、ということでした。

相続は人の死によって開始されるので、突然開始される場合もあります。

事前にどのような財産があってそこからいくらくらいマイナスされるのか。

現在いる相続人が誰で何人いて、相続が開始した場合の相続人はどうなるのか。

事前に調べておくと、突然のときにあわてなくて済みます。

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本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

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