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有給休暇を取得しやすい福祉・介護事業所へ|取得目標と声かけで変える職場づくり

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有給休暇を取得しやすい福祉・介護事業所へ|取得目標と声かけで変える職場づくり

こんにちは、沖縄の社労士、行政書士、1級FP技能士の松本@officegsrです。

「有給休暇はあるけれど、職員がなかなか取得しない」

「休んでいいと伝えているのに、いつも同じ職員しか休まない」

「人手不足なので、有給休暇を取られるとシフトが回らない」

福祉・介護事業所の経営者や管理者の中には、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

有給休暇の制度を整えていても、実際に職員が取得できるかどうかは別の問題です。

「みんな忙しそうだから休みにくい」

「自分が休むと他の職員に迷惑がかかる」

「上司がほとんど休まないので、自分だけ休みを申請しにくい」

このような雰囲気があると、有給休暇の制度があっても取得は進みません。

処遇改善加算の職場環境等要件でも、有給休暇を取得しやすい雰囲気や意識づくりに関する取組が示されています。

具体的な取得目標を設定し、取得状況を定期的に確認したうえで、身近な上司などから積極的に声をかけることがポイントです。

今回は、福祉・介護事業所が有給休暇を取得しやすい職場をつくるための5つのポイントを、具体例を交えながら解説します。

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有給休暇の具体的な取得目標を決める

有給休暇の具体的な取得目標を決める

まず取り組みたいのが、有給休暇の取得目標を具体的に決めることです。

単に「積極的に有給休暇を取得しましょう」と伝えるだけでは、実際の行動にはつながりにくいものです。

職員からすれば、

「積極的とは、何日くらいなのか」

「どの程度取得すればよいのか」

が分かりません。

そこで、具体的な数字を使って目標を設定します。

例えば、

  • 年間10日以上の取得を目指す
  • 付与された日数の70%以上を目指す
  • 年に1回は連続休暇を取得する
  • 3か月に1回は有給休暇を取得する

といった方法があります。

ただし、事業所の実情を無視して、高すぎる目標を設定する必要はありません。

大切なのは、自分たちの事業所で実現できる目標を考えることです。

例えば、現在の平均取得日数が年間5日程度であれば、いきなり年間15日を目標にすると、現場が混乱するかもしれません。

まずは年間7日や8日を目指し、取得状況を見ながら少しずつ目標を見直す方法もあります。

また、職員によって有給休暇の付与日数は異なります。

そのため、「年間○日」という一律の目標だけではなく、「付与日数の○%以上」という割合で設定する方法も考えられます。

目標を決めることで、経営者や管理者も取得状況を確認しやすくなります。

有給休暇を「取れたら取るもの」から、「計画的に取得するもの」へ変えていくことが第一歩です。

取得状況を定期的に見える化する

目標を決めたら、次に必要なのが取得状況の確認です。

目標を掲げただけで、一年間何も確認しなければ、年末になってから、

「ほとんど有給休暇を取っていない職員がいた」

ということになりかねません。

おすすめなのは、3か月に1回程度、職員ごとの取得状況を確認することです。

例えば、管理表に、

  • 有給休暇の付与日数
  • これまでの取得日数
  • 残日数
  • 取得率
  • 直近の取得日

などを記録しておきます。

すると、長期間休暇を取得していない職員や、取得率が低い職員を早めに把握できます。

ここで注意したいのは、取得率の低い職員を責めるための管理にしないことです。

目的は、

「なぜ休めていないのか」

を確認し、必要な支援を考えることです。

例えば、ある職員が半年間まったく有給休暇を取得していないとします。

本人に確認すると、

「自分が休むと請求業務ができる人がいない」

という事情が分かるかもしれません。

この場合、問題は本人の意識ではありません。

特定の職員にしかできない業務があることが問題です。

別の職員が、

「希望休を出すと他の職員に申し訳ない」

と考えている場合もあります。

この場合は、職場の雰囲気や上司の声かけを見直す必要があります。

取得状況の見える化は、単なる数字の管理ではありません。

職員が休めない理由を見つけるためのきっかけとして活用することが大切です。

上司から具体的に声をかける

上司から具体的に声をかける

有給休暇の取得を進めるうえで、管理者や直属の上司からの声かけはとても重要です。

よくあるのが、

「有給休暇は自由に取っていいですよ」

という声かけです。

もちろん、この言葉自体は悪くありません。

しかし、職員によっては、

「本当に取っていいのかな」

「忙しい時期に申請したら嫌な顔をされないかな」

と考えてしまいます。

そこで、もう少し具体的に声をかけてみます。

例えば、

「最近、有給休暇を取っていないですね。来月あたりに1日休みませんか」

「お子さんの夏休みに合わせて、連休を取るのはどうですか」

「この時期なら比較的シフトを調整しやすいですよ」

といった声かけです。

ここまで具体的に言われると、職員も休暇を申請しやすくなります。

特に、有給休暇の取得が少ない職員には、個別の声かけが有効です。

また、直属の上司の役割も重要です。

経営者が「休んでいい」と言っていても、現場のリーダーが、

「今は忙しいから困る」

「また休むの?」

という態度を取れば、職員は休めません。

経営者、管理者、リーダーが共通の認識を持つ必要があります。

有給休暇を取りやすい雰囲気は、制度だけでは生まれません。

日常の何気ない言葉が、職場の空気をつくっています。

誰かが休んでも困らない体制をつくる

誰かが休んでも困らない体制をつくる

「有給休暇を取りましょう」と言うだけでは、現場の負担は減りません。

特に福祉・介護事業所では、利用者へのサービスを継続する必要があります。

一人が休むことで、他の職員に大きな負担が集中するのであれば、休暇の取得は進みにくくなります。

そこで必要なのが、誰かが休んでも業務が止まらない体制づくりです。

例えば、

  • 業務マニュアルを作成する
  • 複数の職員が同じ業務をできるようにする
  • 利用者情報を共有する
  • 担当者しか分からない業務を減らす
  • 日頃から引継ぎ方法を決めておく

といった取組があります。

特に注意したいのが、業務の属人化です。

「請求業務はAさんしか分からない」

「この利用者への対応はBさんにしかできない」

「送迎ルートはCさんしか把握していない」

このような状態では、その職員は休みにくくなります。

また、休暇を取るたびに電話がかかってくるようでは、十分に休めません。

完璧なマニュアルを一気につくる必要はありません。

まずは、特定の職員に集中している業務を書き出してみるだけでも構いません。

その中から一つずつ、

「この業務をもう一人できるようにしよう」

と進めていきます。

有給休暇を取りやすくする取組は、業務の見える化や人材育成にもつながります。

結果として、職場全体の対応力を高めることにもなります。

経営者や管理者自身が率先して休む

経営者や管理者自身が率先して休む

職員に有給休暇の取得を勧めながら、経営者や管理者がまったく休んでいない。

そんな職場もあるかもしれません。

もちろん、経営者と職員では立場が違います。

管理者も、簡単には休めない事情があるでしょう。

しかし、上司がいつも働いている職場では、職員が、

「自分だけ休んでよいのだろうか」

と感じることがあります。

特に日本の職場では、制度そのものより、周囲の雰囲気が行動に影響することがあります。

だからこそ、管理者自身が休む姿を見せることも大切です。

例えば、

「来週の金曜日は休暇を取ります」

「今月は連休を取って家族と過ごします」

と伝えるだけでも構いません。

管理者が休むことで、

「休むことは特別なことではない」

というメッセージになります。

また、管理者が不在でも業務が回るようにすることは、組織づくりの面でも重要です。

誰か一人がいないだけで仕事が止まる職場は、急な病気や退職にも弱くなります。

有給休暇を取得しやすい職場づくりは、単なる福利厚生の充実ではありません。

組織としての強さを高める取組でもあります。

まとめ

まとめ

有給休暇を取得しやすい雰囲気や意識づくりに関する取組。

有給休暇を取得しやすい職場は、就業規則に制度を書くだけでは実現しません。

「休んでいいですよ」と伝えるだけでも不十分です。

今回紹介したポイントは、次の5つです。

  • 具体的な取得目標を決める
  • 取得状況を定期的に見える化する
  • 上司から具体的に声をかける
  • 誰かが休んでも困らない体制をつくる
  • 経営者や管理者自身が率先して休む

特に大切なのは、目標を設定した後の運用です。

職員ごとの取得状況を定期的に確認し、取得が進んでいない職員がいれば、「なぜ休めないのか」を考えます。

そして必要に応じて、上司から具体的に声をかけます。

処遇改善加算の職場環境等要件への対応という点でも、こうした取組は重要です。

しかし、加算のためだけに取り組むのではなく、職員が安心して長く働ける職場づくりの機会として考えることが大切です。

有給休暇を取得しやすい職場は、職員の心身の負担軽減だけでなく、職員定着や離職防止にもつながります。

まずは、今の職場で誰がどのくらい有給休暇を取得しているのか。

そこを確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。


沖縄県浦添市の社会保険労務士、行政書士、1級FP技能士である松本崇が、処遇改善加算職場環境等要件「両立支援・多様な働き方の推進」区分の「有給休暇を取得しやすい雰囲気・意識作りのため、具体的な取得目標(例えば、1週間以上の休暇を年に●回取得、付与日数のうち●%以上を取得)を定めた上で、取得状況を定期的に確認し、身近な上司等からの積極的な声かけを行っている」について解説しました。

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