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処遇改善加算|小規模事業所でもできる健康管理対策5つのポイント

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処遇改善加算|小規模事業所でもできる健康管理対策5つのポイント

こんにちは、沖縄の社労士、行政書士、1級FP技能士の松本@officegsrです。

介護職員等処遇改善加算の職場環境等要件には、「腰痛を含む心身の健康管理」という区分があります。

その中の⑮には、

短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業者のための休憩室の設置等健康管理対策の実施

という取組が示されています。

この項目を見ると、「短時間勤務の職員全員に健康診断を実施しないといけないの?」「専用の休憩室を新しく作らないといけないの?」と不安になる事業所もあるかもしれません。

特に職員5名から10名程度の小規模な介護事業所では、大規模法人と同じような設備や福利厚生制度を整えることは簡単ではありません。

大切なのは、事業所の規模や職員の働き方に応じて、心身の健康を守るための仕組みを実際に整えることです。

例えば、短時間勤務職員も健康診断を受けやすい仕組みを考える、ストレスチェックの実施に備える、落ち着いて休憩できる環境を確保するなど、小規模事業所でもできることがあります。

なお、この記事では処遇改善加算の算定要件全体ではなく、職場環境等要件⑮の健康管理対策に絞って解説します。
処遇改善加算には、職場環境等要件以外にもキャリアパス要件、月額賃金改善要件などがあり、算定する区分によって確認すべき要件も異なります。

ここからは、小規模事業所でも取り組みやすい5つのポイントを紹介します。

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健康管理体制を整える5つのポイント

①短時間勤務の職員も健康診断を受けやすくする

まず確認したいのが、健康診断の対象者です。

労働安全衛生法上、短時間勤務だからといって、すべての職員に健康診断の実施義務があるわけではありません。
一方、短時間勤務職員であっても、一定の要件を満たせば法定健康診断の対象になる場合があります。

そのため、最初に「誰が法定健康診断の対象なのか」を整理することが重要です。

そのうえで、処遇改善加算の職場環境等要件では「短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断」が取組例として示されています。

例えば、事業所が利用している健診機関についてパート職員にも案内する、受診時期や申込方法を全職員へ周知するなどの方法が考えられます。

小規模な事業所であれば、まず職員一覧を作り、法定健康診断の対象者と、それ以外の短時間勤務職員への健康管理対策を整理するところから始めるとよいでしょう。

②ストレスチェックの実施に備える

介護現場では、利用者や家族への対応、人間関係、人手不足、身体的な負担など、さまざまなストレスが発生します。

そのため、身体の健康だけでなく、心の健康を守る取組も重要です。

ストレスチェックは、職員自身がストレスの状態に気づき、メンタルヘルス不調を未然に防止するための制度です。

令和7年5月に公布された改正労働安全衛生法により、これまで努力義務だった労働者数50人未満の事業場についても、令和10年4月1日からストレスチェックの実施が義務化されます。

小規模の事業所も対象となります。

まだ義務化まで期間がありますが、処遇改善加算の職場環境等要件への対応も考えると、今から実施方法を確認しておくことには意味があります。

厚生労働省からは、小規模事業場向けのストレスチェック制度実施マニュアルも公表されています。

まずは、誰に実施を依頼するのか、どのような方法で実施するのか、結果をどのように取り扱うのかなど、基本的な仕組みから確認しておきましょう。

③職員が落ち着いて休める環境をつくる

職場環境等要件⑮では、「従業者のための休憩室の設置等」も健康管理対策として示されています。

小規模事業所の場合、新たに専用の休憩室を設置するスペースがないこともあるでしょう。

その場合は、まず現在の職場で「職員が業務から離れて落ち着いて休める環境があるか」を確認してみましょう。

例えば、使用していない時間帯の会議室など、既存のスペースを活用できる場合もあります。

ただし、場所があるだけでは十分とはいえません。

休憩時間中も電話に出なければならない、利用者対応を続けなければならない、常に他の職員から呼ばれるという状態では、十分に休憩できないことがあります。

「休憩場所があるか」だけではなく、「実際に仕事から離れて休憩できているか」まで確認することが大切です。

④健康管理の取組を見える化する

小規模事業所では、管理者が職員一人ひとりの状況を把握しやすい反面、健康管理の方法が管理者個人の判断に頼ってしまうことがあります。

例えば、「毎年、健康診断の時期になったら声をかけている」「疲れていそうな職員には管理者が話を聞いている」という運用です。

これでは、管理者が変わった場合に同じ対応ができない可能性があります。

そこで、

  • 健康診断の対象者と実施時期
  • 短時間勤務職員への案内方法
  • ストレスチェックの実施方法
  • 心身の不調を感じたときの相談先
  • 休憩場所や利用方法

などを簡単に整理しておきましょう。

大がかりな規程を作る必要はありません。

小規模な事業所であれば、A4用紙1枚程度に「健康管理の取組」をまとめ、職員が確認できる場所に置いておく方法もあります。

処遇改善加算への対応という意味でも、「何を実施しているのか」を説明できる形にしておくことが重要です。

⑤年に一度は職員の声を聞いて見直す

健康管理対策は、一度決めたら終わりではありません。

利用者の状況、職員数、勤務体制が変われば、職員の負担も変化します。

そのため、少なくとも年に一度は現在の取組を確認してみましょう。

職員5名から10名程度の事業所であれば、大規模なアンケートを実施しなくても、職員会議や個別面談を活用できます。

例えば、

  • 健康診断は受けやすかったか
  • 休憩時間を確保できているか
  • 落ち着いて休める場所があるか
  • 身体的な負担が増えていないか
  • 精神的な負担を感じていないか

などを確認します。

職員数が少ないからこそ、一人ひとりの声を聞きやすく、問題があればすぐ改善できることは小規模事業所の強みです。

「制度を作ること」ではなく、「職員が実際に利用できているか」を確認するところまでを健康管理対策として考えてみましょう。

まとめ

まとめ

処遇改善加算の職場環境等要件⑮では、短時間勤務労働者等も利用できる健康診断やストレスチェック、休憩室の設置など、職員の心身の健康を守るための取組が示されています。

小規模な介護事業所であっても、

  • 短時間勤務職員も健康診断を受けやすい仕組みを考える
  • ストレスチェックの実施に向けて準備する
  • 落ち着いて休める環境を確保する
  • 健康管理の取組を見える化する
  • 職員の声を聞いて定期的に見直す

といった対応は可能です。

重要なのは、大規模な設備や複雑な制度を導入することではありません。

健康診断を案内していても、勤務の都合で受診できなければ十分に機能しているとはいえません。
休憩場所があっても、休憩中に業務対応を続けているのであれば、職員の健康管理という目的から見直す必要があります。

また、職場環境等要件⑮への対応だけで処遇改善加算を算定できるわけではありません。
算定する加算区分に応じて、他の職場環境等要件やキャリアパス要件、月額賃金改善要件などについても確認が必要です。

処遇改善加算への対応をきっかけに、「職員が無理なく働き続けられる職場になっているか」という視点で、現在の健康管理体制を確認してみてください。

小規模事業所だからこそ、できることから一つずつ仕組みにしていくことが大切です。


沖縄県浦添市の社会保険労務士、行政書士、1級FP技能士である松本崇が、処遇改善加算職場環境等要件の「短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業者のための休憩室の設置等健康管理対策の実施」について解説しました。

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