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社労士の開業実態:リアルな収入と事務所運営とは?

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社労士の開業実態:リアルな収入と事務所運営とは?

こんにちは、社会保険労務士の松本@officegsrです。

今回は

「社労士の開業実態のリアル」

と題して、2024年に実施された社労士実態調査をもとに、開業社労士の働き方や収入、事務所の規模について解説します。
開業を検討している方や、社労士資格の取得を目指している方にとって、具体的な数値データは計画を立てるうえで非常に重要です。

今回の記事では、調査データに基づき、収入の実態や事務所運営の現状を分かりやすく解説します。
さらに、開業当初3年間のモデルケースにも触れ、これからのキャリアプランに役立つ情報をお届けします。
これらのデータを基に、自分の目指す働き方を考え、具体的なステップを描いてみましょう。

Youtube動画も作成していますので、よかったらご覧ください。

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社労士実態調査とは?

社労士実態調査とは?
PHOTO BY 写真AC

社労士実態調査は、全国の社会保険労務士を対象に行われた大規模なアンケート調査です。
この調査は、社会保険労務士制度が2023年に創立55周年を迎えたことから2024年に実施されました。
対象者は全国の社労士約4万5千人で、そのうち2万5千人以上から回答があり、回収率は56%となっています。

調査方法は、郵送とWEBです。
今回の調査結果は、速報版と詳細版の2段階で結果が公表されています。
速報版では概要が示されており、主に全体像を把握するには便利です。
一方、詳細版では売上や事務所の規模、業務内容、働き方など、さらに深い分析が行われており、具体的な参考資料として活用可能です。

本記事では、「詳細版の概要版」に掲載された情報をもとに、興味深いデータをピックアップし、そのポイントを詳しく解説します。
この調査結果は、社労士業界の現状を知るだけでなく、将来的に独立を考えている方にとっても有益な情報となるはずです。
調査結果を活用することで、今後のキャリア形成や事業計画の参考にしてください。

実際の社労士実態調査のリンクは以下をご確認ください。

2024年度 社労士実態調査調査結果 概要(全国社会保険労務士会連合会)

社労士の平均年齢と性別構成

社労士の平均年齢と性別構成
PHOTO BY 写真AC

2024年の社労士実態調査によると、社労士の平均年齢は55.5歳と、比較的高めの年齢層が中心であることが分かります。
特に40代以上が全体の約8割を占めており、中高年が活躍する職業であると言えるでしょう。
資格取得には一定の実務経験や専門知識が求められるため、社会人経験を積んだ後に資格取得を目指す方が多いことが、この結果につながっていると考えられます。

性別構成については、男性が64.9%、女性が35.1%で、男女比は約2対1となっています。
このデータから、現状では男性が多数を占めているものの、女性の割合も他の士業と比較すると高い方だと感じます(弁護士2割ほど)

特に近年、育児休業や介護休業の労務環境整備が注目されており、これらの分野は社労士の得意とする領域です。女性が活躍する場が増えることで、今後女性の割合がさらに増加することが予想されます。

また、社労士という職業の柔軟な働き方も女性の活躍を後押ししています。
在宅での電子申請やクラウドツールの利用が広がり、子育て中の女性でも働きやすい環境が整いつつあります。
このように、社労士業界は男女問わず幅広い世代が働きやすい職業であり、今後さらなる多様性が期待されるでしょう。

2024年度 社労士実態調査調査結果 概要(全国社会保険労務士会連合会)

開業社労士の収入実態

開業社労士の収入実態
PHOTO BY 写真AC

開業社労士の収入に関するデータは、独立を目指す方にとって特に関心が高いポイントです。
今回の調査によると、開業社労士の平均売上は1,658万円、中央値は550万円とされています。
平均値が中央値を大きく上回るのは、売上1億円以上の高収入事務所が全体の2%存在し、これが平均値を引き上げているためです。
実際の多くの開業社労士の収入は、中央値に近い水準なのではないかと思います。

注目すべきは、売上1,000万円以上の事務所が全体の約3割を占めている点です。
この結果は、成功するためには一定の努力や事務所運営の工夫が必要である一方、収益を大きく伸ばす可能性が十分にある職業であることを示しています。

また、売上規模の違いには、事務所の経営スタイルや業務内容が影響を与えています。
たとえば、大規模な事務所では顧問社数が多いことや、複数の従業員を雇用して業務を効率的に分担していることが、収益向上につながっています。
一方で、1人で運営する小規模事務所でも、特化したサービスを提供することで安定した収益を上げているケースもあります。

開業社労士の収入実態は、事務所の規模や運営方針によって大きく異なるため、自身の目指す働き方に応じた戦略を立てることが重要です。
このデータをもとに、独立後の収入目標を明確にし、事業計画を具体化していくことが成功への鍵となります。

2024年度 社労士実態調査調査結果 概要(全国社会保険労務士会連合会)

社労士事務所の規模と契約社数

社労士事務所の規模と契約社数
PHOTO BY 写真AC

社労士事務所の規模について、調査結果は以下のような実態を示しています。
まず、1人で運営している事務所が全体の56.4%を占めており、開業社労士の半数以上が補助員や従業員を雇わずに経営していることが分かります。
一方で、従業員を雇用し、規模を拡大している事務所も少なくなく、従業員数の平均は2.7人というデータが出ています。

契約顧問社数については、1事務所あたりの平均が33.2社となっており、月額顧問契約による安定収入を見込むことが可能です。
たとえば、月額顧問料を3万円と設定した場合、33社で月間約99万円の売上が期待でき、これを年換算すると約1,188万円の収入が見込めます。
また、顧問社数100社以上の事務所も全体の8.3%存在しており、大規模な事務所ではさらに高い収益が期待されます。

こうしたデータは、開業後の経営モデルを考える際の参考となるでしょう。
たとえば、1人で自由なスタイルを追求する場合、顧問社数を20~30社程度に絞ることで負担を抑えつつ安定収入を得ることができます。
一方、従業員を雇用し規模拡大を目指す場合、効率的な業務分担と多様なサービス提供で、さらなる収益増加が可能です。

事務所経営は、自分のライフスタイルやキャリアプランに応じて柔軟に設計できるのが魅力の一つです。
調査結果を活用して、自分に最適な事務所運営のスタイルを検討してみてください。

2024年度 社労士実態調査調査結果 概要(全国社会保険労務士会連合会)

社労士開業モデルケースの考え方

開業モデルケースの考え方
PHOTO BY 写真AC

社労士として開業する際、調査データを参考に具体的な事業計画を立てることは、成功への重要なステップです。
平均顧問社数33.2社や従業員数2.7人といったデータを基に、開業後の目標を設定すると、以下のようなモデルケースが考えられます。

開業1年目

1年目は1人で事務所を運営し、顧問社数10社を目指します。
この段階では、必要最低限の経費で運営を開始し、効率的な業務管理を重視することがポイントです。
電子申請やクラウドツールを活用することで、人的リソースを最小限に抑えつつ顧客満足度を高めることが可能です。

開業2年目

2年目には従業員1人を採用し、事務所の規模を拡大して顧問社数21社を目標とします。
この段階では、顧客対応の迅速化やサービスの充実を図ることで、顧客基盤を拡大しつつ、従業員の役割分担を明確にします。
人件費を計算に入れながら、収益と経費のバランスを保つことが重要です。

開業3年目

開業3年目にはさらに1人を採用し、顧問社数33社を達成する計画です。
この規模に達すれば、月額顧問料3万円の場合、月99万円、年1,188万円の売上が見込めるようになります。
収益が安定する段階に入るため、次の成長戦略や専門分野の強化を検討する余裕が生まれます。

このように、事業計画を段階的に設定することで、開業後の不安を軽減し、具体的な目標に向かって進むことができます。
数字を基にした現実的な計画を立てることが、経営の安定と成功の鍵となるでしょう。

2024年度 社労士実態調査調査結果 概要(全国社会保険労務士会連合会)

社労士の開業スタイルの選択肢

開業スタイルの選択肢
PHOTO BY 写真AC

社会保険労務士として開業する際、どのようなスタイルで事務所を運営するかは、個々の目標やライフスタイルによって異なります。
現代のIT環境を活用すれば、1人で事務所を運営することも十分に可能です。電子申請やクラウド型チャットツール、スケジュール管理アプリを活用することで、効率的に業務を進められるため、人的コストを最小限に抑えることができます。
これにより、自分のペースで働きたい方や、柔軟な働き方を重視する方には、1人運営のスタイルが適しています。

一方で、規模拡大を目指す場合は、従業員を雇用し業務を分担することで、さらなる収益向上が期待できます。
従業員が増えることで、対応できる顧問社数や提供できるサービスの幅が広がり、安定した収益基盤を築くことが可能です。
また、大規模な事務所運営を目指す場合には、従業員の教育や業務管理体制の整備が必要となりますが、それによって顧客満足度の向上や競争力の強化が図れます。

どちらのスタイルを選ぶにせよ、自分の目指す働き方やライフスタイルに合わせた開業プランを描くことが重要です。
たとえば、1人で自由に働きたいのか、それともチームを形成して大規模な事業を展開したいのかを明確にすることで、必要な設備投資やリソースの配分を計画的に行うことができます。
自分自身の強みや目指す方向性をしっかりと考慮し、最適な運営スタイルを選びましょう。

2024年度 社労士実態調査調査結果 概要(全国社会保険労務士会連合会)

まとめ

まとめ
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2024年社労士実態調査

今回の調査結果から、開業社労士の実態や事務所運営のポイントが明らかになりました。
平均顧問社数33.2社、平均従業員数2.7人というデータを基にした現実的な事業計画を立てることが、開業後の成功への第一歩となります。
これらのデータは、社労士を目指す方や独立を考える方にとって非常に有益な指針となるでしょう。

開業スタイルには、1人で自由なスタイルを追求する方法と、従業員を雇い規模を拡大する方法の2つがあります。
どちらを選ぶかは、個々の目標や価値観、ライフスタイルに大きく依存します。
例えば、家族との時間を大切にしたい方は1人運営を選ぶ一方で、大きな事務所を構築し多くの顧客を抱えたい方は従業員を雇用しチームを形成する方法が適しているでしょう。
1人運営は自由である反面、多忙になると自分でひとりで業務を抱えることもあります。
従業員を雇用し経営が安定してくると、日ごろの業務は従業員がこなし、代表社労士は経営に専念する時間が増えてきます。

また、資格取得を目指している方にとっても、具体的な目標を持つことは大きなモチベーションとなります。
顧問社数や収益目標といった数字を念頭に置きながら、開業後の計画を描くことで、資格取得までの道のりも明確になりやすくなります。
今回の調査結果を参考に、独立開業の夢に向けて具体的な一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。


沖縄県浦添市の社会保険労務士、行政書士、1級技能士である松本崇が、社労士開業のリアルについて解説しました。
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