社労士、行政書士、FP技能士、社会福祉士の松本@officegsrです。
今回は社会保険労務士試験の難しいところ3選についてお話ししたいと思います。
その3つとは、
- 試験科目が多い
- 試験時間が長い
- 毎年合格基準点がかわる
です。
社会保険労務士試験について興味のある方は必見です。
動画でも説明していますので、ご覧下さい。
1.試験科目が多い
社会保険労務士の歴史をたどると、昔は社会保険士と労務管理士の資格に別れている時代がありました。
それが1968年に社会保険労務士法が施行され、社会保険労務士の資格が誕生しました。
そのような歴史的経過もあり、社会保険労務士の業務の範囲が労働法、労働保険法、社会保険、年金関係と非常に幅広くなっているのですよね。
その試験科目はと言いますと、なんと10科目もあるんです。
①労働基準法
②労働安全衛生法
③労働者災害補償保険法
④雇用保険法
⑤労働保険徴収法
⑥労務管理その他の労働に関する一般常識
⑦健康保険法
⑧厚生年金保険法
⑨国民年金法
⑩社会保険に関する一般常識
です。
これらの10科目について、幅広く勉強する必要があるところがまず難しいところです。
特に、労務管理その他労働に関する一般常識、いわゆる「労一」と、社会保険に関する一般常識いわゆる「社一」が私は激ムズでした。
というのはですね、名前は「一般常識」なので簡単かと思いきや、非常に、ひじょーに、その科目の範囲が広いんです。
労一の場合は労働経済白書というこんなに分厚い白書から出題されますし、労働統計から問題が出る場合もあります。
社一についてはこれまた分厚い厚生労働白書から出題されますし、労一社一合わせて時事問題からも出題されるので、過去問がなかなか通用しにくいんです。
日頃からニュースにもアンテナを張る必要がありますし、なんといっても白書の内容がすごいボリュームがありますので、消化することがまず困難でした。
試験科目が多い、これが社会保険労務士試験の難しいところ1点目です。
2.試験時間が長い
先ほど試験科目が10科目あると述べました。
社会保険労務士試験は午前と午後に分かれて試験が行われます。
午前中の試験は「選択式」と呼ばれ、試験時間は80分
時間にして1時間20分ですね。
そして昼食時間をはさみまして、午後の試験は「択一式」と呼ばれこちらは210分もの試験時間があります。
時間にして3時間30分
午前午後合わせて290分、5時間近い試験時間です。
社会保険労務士試験は8月の第4日曜日での開催と決まっていますので、夏の暑い時期に本番を迎えます。
試験当日は体調管理を万全にし、暑がりの人も試験会場の空調がきつい場合もありますので、5時間も冷気にさらされ体調不良とならないよう、体温調整できる格好でいったほうがいいでしょう。
ここでちょっとおすすめのポイントとして、午後の択一式試験では3時間超と長いので、1回トイレ休憩をいれることをおすすめします。
挙手をして係員に申告したらトイレに行けますので、トイレに行って深呼吸をして頭に酸素をたくさん補給して取り組むといいですね。
ただし1人ずつしかトイレに入れないはずですから、混まないうちにタイミングを見計らってください。
3.毎年合格基準点が変わる
そして「毎年合格基準点がかわる」
たとえばですね、行政書士の試験だと
- 法令科目122点以上
- 一般知識が24点以上
- その総合計が180点以上
という絶対的な基準点があるんです。
社会保険労務士試験も一応「これ以上点数ある人が合格です」という基準点がありまして、厚生労働省が示している基準というのが、
- 選択式試験では、40点中28点以上、かつ各科目3点以上
- 択一式試験では70点中49点以上かつ各科目4点以上
というのが決まっています。
ただ、これがその年の試験の難易度によって若干上がったり下がったりするんです。
参考までに2022年度試験の基準点は
- 選択式試験は24点以上かつ各科目3点以上(ただし労務管理その他労働に関する一般常識は1点以上、国民年金法は2点以上
- 択一式試験は総得点45点以上かつ各科目4点以上
でした。
選択式の労一が1点以上・・・
これはほとんどの受験生が解けなかったということですね。
選択式、択一式、ともにマークシートでの回答です。
この2つの試験のそれぞれで合格基準点を超える必要があります。
2つの試験を足して、70点以上取ればいいという合格基準点ではないのです。
さらに、科目ごとに足切り点があるため、バランスよく得点する必要があります。
選択式は一つの問題について5つの空欄があり、20個または4個の選択肢から回答を選択します。
選択式の場合、労働保険徴収法は出題されません。
問題を見ると空欄5つを選択肢から埋めるので「簡単だ」と思いがちですが、「以上」「超える」「以下」「未満」など、一言一句法律を覚えていないと解けないような問題だったり、労一、社一などは科目の勉強範囲が幅広いので、かなりの難問です。
先ほど選択式の基準点の足切りの話をしましたが、基本的には一問につき3点以上正解する必要があります。
これが難しすぎると、足切りの点数が2点に下がることがあります。
私が合格できた時は、選択式の労一の基準点が2点に下がりました。
私はその時の労一の点数が2点でしたので、これを観た時にホントに肩の力が抜けました。
というのも、試験当日の夜には大手予備校が解答速報を出すのですが、そこで労一が2点だった・・・となればあとは足きりが3点から2点に下がることを祈るしかないわけです。
選択式の総得点も、択一式の総得点も基準点を上回っていても、足切りがダメならダメなんです。
その労一の1点が足きりに足りなければ合格できない、これが社会保険労務士試験です。
余談ですけど、このときの問題が「外国からの労働者が多い国は中国の次はどこか」という問題でした。
選択肢を見て「ベトナムかブラジルかどっちか」まで絞り込んだのですが、全然どっちかわからなかったんです。
このとき、試験の前の週に「Youは何しに日本へ?」というテレビ番組を見ていて、ベトナム人の方が「日本に仕事をしにやってきました」とインタビューで答えていたのを思い出したんです。
それだけを頼りにベトナムを選択しました。
そしたら、これが当たっていたんです。
当たった結果、労一の得点が2点
そしてその時の足きり点に調整が入って、選択式労一の合格基準点が「2点以上とること」だったんです。
いやほんとに社会保険労務士試験は、運もあるなとこのとき感じました。
ちなみに私はこの年の試験の前月に、夏休みの家族旅行で太宰府天満宮へ行って合格祈願をしていたんです。
おかげで今でも福岡へ行って時間があるときは、太宰府天満宮へお参りするようにしています。
まとめ
いかがでしたか。
社会保険労務士試験で難しいところは3点
- 試験科目が多い
- 試験時間が長い
- 毎年合格基準点がかわる
でした。
とくに試験時間が長いというのが、トイレが近い私にとっては恐ろしいんです。
以前、簿記2級の試験を受けているときなのですが、よく「試験の最後の10分間」というのが、トイレも認められない時間帯なんです。
この簿記の試験でトイレに行くのを我慢して解答を続けていたのですが、我慢し続けた結果最後の10分間死ぬ思いでトイレを我慢した苦い記憶があります。
あれ以来、試験途中でもちゅうちょなく1回は必ずトイレに行くようにしています。
話が脱線しましたが、試験科目が多いことと各科目に足切り点があるので、バランスよく勉強すること、そして苦手科目を作らないことも重要です。
合格基準点が毎年変わるので、ギリギリの方は運も味方に付けられるよう日ごろから良い行いを心がけるといいですね。
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。